ダークジーの、最後の抵抗であろう攻撃がハミュンに向けられた。
恐怖して目を閉じたハミュン。
しかし、衝撃は思ったよりもずっと小さく、そう、人にぶつかって倒れた程度であった。
「私…生きてる?」そう思ったハミュンの頬に、ポツポツとなにかがぶつかり、恐る恐る目を開かせる。
「よかった…ハミュン…無事か…」
覆い被さるように、倒れたハミュンの上からケインが微笑む。
頬を打つ物の正体は、そのケインの笑顔を赤く染める血であった。
「ケーちゃん…」
赤い雫は、もう、太い糸の様になってハミュンの頬に垂れている。
いとおしく抱きかかえるように、ケインの身体が沈んでハミュンと重なる。
「…どうして…どうして、私の大切な人は…いつも…私の目の前で…」